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陽の当たる町

陽の当たる町
 

ラティ・オネリ/デジタル/104分/2017(ジョージア)
 
自分とその家族のために新しい生活を手に入れるべく町を壊そうとする音楽教師、演劇への情熱と炭坑労働者としての収入との間で揺れる炭坑労働者から役者になった男、生き延びるためだけに走り続ける栄養失調のふたりのチャンピオン・アスリートなど、炭坑が寂れて、廃墟と化した町に住む人々の生活や夢、そして運命を描いている。
チアトゥラは、ジョージア(旧グルジア)西部にある町である。最高時には、世界の50%ものマンガンを産出し、10,000人以上の労働者を抱えていた。今日、急激なマンガン生産の減少と危険な労働条件、そして町の発展性のなさゆえに、町はゴーストタウンと化しつつある。
チアトゥラの町は、19世紀にグルジアの詩人でもあった貴族によって創設された後に、ソビエト連邦下においては工業の中心都市となった。ソビエト連邦にとって、それは明るい、ユートピアの未来の具現化であった。アメリカの億万長者ハリマンがチアトゥラに巨額の投資を行い、自らもその地に住んだ。劇場、大学、コンサートホール、スタジアム、公園が建設され、世界初の、そして最大の公共ロープウェイがつくられた。チアトゥラは、人類と科学技術の大規模な挑戦が行われた場所であり、そしてその挑戦が失敗に終わった場所だ。
 

ラティ・オネリ

1977年、ジョージア、トビリシ生まれ。東洋学、国際関係学、国際メディア学をニューヨークにて学ぶ。監督、プロデューサー、編集者。『陽の当たる町』が長編デビュー作。
 

 

上映日

東京:5/4 11:00, 5/6 21:15 プログラム U
京都:5/12 13:45 プログラム U
福岡:6/3 11:30 プログラム U
名古屋:6/23 18:40 プログラム U
 
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