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ワーキング・マンズ・デス 労働者の死

ワーキング・マンズ・デス 労働者の死
 

ミヒャエル・グラヴォガー/2017/デジタル/122分(オーストリア)
撮影:ウォルフガング・ターラー/編集:イルゼ・ブッヘルト、モニカ・ヴィリ/音楽:ジョン・ゾーン
 
ミヒャエル・グラヴォガーが監督・脚本を務めた2005年のオーストリア・ドイツ共同作品で、同年のベネチア映画祭でプレミア上映された。本作では、世界のいくつかの国における、労働者たちの極限的な状況をとらえている。映画は6つの章で構成されており、それぞれの章にタイトルがついている。はじめの5つは世界中の労働者の過酷で危険に満ちた環境を描いているが、6つめは対極的に、レジャーパークになったドイツの工業団地における若者達たちを映し出す。

1. ヒーロー:ドネツ炭田の炭坑労働者(ウクライナ)
2. 幽霊:イジェンの硫黄採掘者(インドネシア)
3. ライオン:ポートハーコート青空屠殺場の食肉処理者(ナイジェリア)
4. 兄弟:ガダニ船体解体場の溶接工(パキスタン)
5. 未来:遼寧省の製鋼労働者(中国)
6. エピローグ:ドゥイスブルクのランドスケープパークの若者達(ドイツ)
 
『ワーキング・マンズ・デス 労働者の死』は(ジョン・ゾーンのサウンドトラックのように)労働者に贈る最後の賛美歌といえるだろう。プロメテウスのような言及に溢れると同時に、これは消滅についての記録であり、階級問題についての記録でもあり、現代社会についての、心を打つ意味深いドキュメントであり、そして世界中を旅して回る監督自身の変わらぬ興味の証でもある。
(クリストフ・フーバー+オラフ・メラー「シネマ・スコープ」誌)
  

ミヒャエル・グラヴォガー

1959年12月3日、オーストリアのグラーツに生まれる。高校卒業後、サンフランシスコ芸術大学とウィーンフィルムアカデミーで学ぶ。カメラオペレーターのアシスタントを務めた後にカメラマンとして活動、その後脚本家・監督になる。1981年から2013年の間に、短編映画、ドキュメンタリー、長編映画を多数発表した。近年は文学作品を執筆しており、「69 Hotelzimmer」は死後出版された。
本作を撮影中の2014年4月、リベリアのモンロビアで亡くなった。ジビュレ・ベルク、エーファ・メナッセ、ミハエル・オストロフスキ、ウィリアム・T・ヴォルマンといった作家との作品の長編映画製作が進んでいたが、その早すぎる死により中断されることとなった。
 

 

上映日

東京:5/2 21:15, 5/6 11:00 プログラム S
京都:5/13 13:45 プログラム S
横浜:6/16 14:00 プログラム S
名古屋:6/21 18:40 プログラム S
 
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