ビル・モリソン/デジタル/120分/2016(アメリカ)
ヒプノティック・ピクチャーズ & ピクチャー・パレス・ピクチャーズ プレゼンツ/協力:ARTE – La Lucarne、ニューヨーク近代美術館(MoMA)/製作:マデリン・モリノー & ビル・モリソン/音楽:アレックス・ソマーズ/サウンドデザイン:ジョン・ソマーズ/製作補:ポール・ゴードン/タイトル・デザイン:ギャレン・ジョンソン
ビル・モリソンの長編映画『ドーソン・シティー:凍結された時間』は、1910年代から20年代にかけて撮影された533本の映像コレクションの奇妙な真実の歴史をつなぎ合わせた作品である。これらのフィルムはユーコン準州奥深くの北極に近い水泳用プールで50年以上も埋もれていたのを発見されたものである。
こうして永久凍土層に守られて保存されていた、貴重なサイレント映画やニュース映像、アーカイブ映像、インタビュー、歴史的写真を利用してストーリーを語り、シガー・ロスのコラボレーターであり作曲家のアレックス・ソマーズ(『はじまりへの旅』)の不思議な曲を伴った『ドーソン・シティー:凍結された時間』は、この他に類を見ない映像コレクションのライフサイクルをその流浪、埋蔵、再発見、救済を通して記録することでカナダのゴールドラッシュタウンの類まれな歴史を描き、またそのコレクションを通して先住民族の狩猟集落が変容し立ち退かされるさまを描いている。
ビル・モリソン(1965年11月17日シカゴ生まれ)はニューヨークを拠点とする映画作家、アーティスト。その映像作品には現代音楽に合わせ、珍しいアーカイブ素材を組み合わせたものが多く、作品は世界中の劇場、映画館、美術館、ギャラリー、コンサートホールで上映されている。1983年から85年までリード大学に在学、1989年にクーパーユニオン芸術学部を卒業した。画家としての教育を受けたモリソンの作品には、セルロイドの映像に対する深く揺るぎない関心が反映されている。