林紗綾香／デジタル／カラー／6分／2017
　
ヒッチコックの映画を題材とした影絵アニメーション。
脚本、俳優、ロケーションを失った映画はろうそくの炎によって像だけ抽出され、スクリーンに再投影される。イメージは鑑賞者の視覚にダイレクトに働きかけ一層強く記憶に焼きつけられる。（H.S.）
　
逃走する男、女の登場、ピストルの銃口に手をあげる男、銃口が火を吹く真っ赤な画面など、犯罪映画を模したような人物の動作が繰り返し反復する影絵アニメ。ろうそくの光に照らし出されたようなぼんやりした人物の影は、かって見た映画の曖昧な記憶なのか、心の奥に沈殿した悪夢の残滓なのか、われわれの視覚を刺激して心象風景を揺さぶる。
　

林紗綾香

1989年北海道生まれ。2012年北海道教育大学岩見沢校卒業、札幌市在住。卒業後は会社員として働きながら個人制作を続ける。主な作品に『かんかんかん』（11）『パブリックと庭』（12）『無秩序』（13）など。

　

上映日

東京：5/2 11:00,5/4 13:45　プログラム C
京都：5/16 19:00 プログラム C
福岡：6/2 16:10 プログラム C
名古屋：6/21 16:30 プログラム C