YUKA/デジタル/カラー/7分/2017
私はフィルムの粒子に魅せられた。写真を極限まで拡大すると、その粒子によって作り出された別の世界が隠されていた。これは、都会に住む一人の女性の物語である。(Y.)
冒頭のダンサーの振付は、やがて写真の粒子のなかに埋没される。群衆のなかの彼女の身体。フィルムの肌理の美しさに心地よく陶酔することもできる一方で、唐突に挿入される誰かの部屋の短い俯瞰のワンショットが目に焼きつく。視聴者に与える見る時間の絶対性から発想し、緩慢と瞬間を巧妙に配置することで映像の本質を探っていく意欲作。
2013年頃から映像制作を始める。主な作品として『in the room』(14)『NUMB』(16)など。