誰に頼まれるでもなく、70~80年代に多くのパンク的構造映画を量産し、ヘルシンキのライブ会場に機材を持ち込んで上映していたパシ・スリーピング・ムルマキ。ここ数年で現代美術アーティストたちに「再発見」され話題となり、今年のベネチア・ビエンナーレではその作品が紹介される予定。彼の超短編8ミリ作品10本が上映プログラムの冒頭に 突如として侵入する。
　
J 水の中のUFO パシ・スリーピング・ムルマキ/8ミリ(デジタル版)/3分/1979(フィンランド)
K セルロイド上の5つの穴 パシ・スリーピング・ムルマキ/8ミリ(デジタル版)/2分/1980(フィンランド)
M アンダルシアの犬小屋 パシ・スリーピング・ムルマキ/8ミリ(デジタル版)/2分/1980(フィンランド)
N 身ぶり パシ・スリーピング・ムルマキ/8ミリ(デジタル版)/3分/1981(フィンランド)
O 謎のヒッチハイカーが3つの石を拾った パシ・スリーピング・ムルマキ/8ミリ(デジタル版)/2分/1979(フィンランド)
Q フォルサ症候群 パシ・スリーピング・ムルマキ/8ミリ(デジタル版)/2分/1982(フィンランド)
R 世界一周 パシ・スリーピング・ムルマキ/8ミリ(デジタル版)/2分/1981(フィンランド)
S りんご パシ・スリーピング・ムルマキ/8ミリ(デジタル版)/2分/1976(フィンランド)
T 眠り パシ・スリーピング・ムルマキ/8ミリ(デジタル版)/2分/1979(フィンランド)
Uアスファルト・バレエ パシ・スリーピング・ムルマキ/8ミリ(デジタル版)/1分/1980(フィンランド)
　

パシ・スリーピング・ムルマキ

1950年生まれ。パンクやアンダーグラウンドシーンで活躍する短編映像作家。
1976年にグラフィックデザイナーとしてラハティ芸術デザイン学校を卒業。パンクのDIY精神に触発されてアマチュアカメラマンのリスト・ラーコネンと共にスーパー8で短編映画制作を始め、1976年から85年の間にふたりは約50本の短編映画を制作した。1979年から82年にかけて、ムルマキは“アンダーグラウンドDIY映画”という同人誌を出版。熱狂的な8mmファンの保守的な価値観に激しく反論し、“ニューウェーブ・カルチャー”としてのマニュフェストを発表した。