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エル・マール・ラ・マール

エル・マール・ラ・マール
 

ジョシュア・ボネッタ+J.P.・シニァデツキ/デジタル/94分/2017(アメリカ)
 
メキシコとアメリカの間にあるソノラ砂漠を横切るもの誰しもに、太陽は情け容赦なく照りつける。
少数の住人以外でソノラ砂漠を通るのは、不法移民の中でも最も貧しい人々だ。彼らには、公私両方の国境警備に追われながらの、このとてつもなく危険なルートを行く以外の選択肢がないのだ。地平線は果てしなく遠く、そこかしこに危険が潜んでいる。日中の熱と太陽は動物や人間の命を奪い去るので、暗闇に包まれて移動するのが一番だ。彼らの痕跡や骸は堆積し、次第に薄れ、分解され、そしてその風景の一部に溶け込み、常に存在していたはずのものがなくなっていく―生と死、美と恐怖、厳しい太陽光と夜の星のきらめき、全てのものが共に存在しつづけるという約束さえも。
本作は、圧倒的な16ミリ撮影でとらえられた自然と気象現象、動物、人間、そして彼らの痕跡を、ポリフォニックサウンドを伴って織りなしている。それは砂漠の住処への映画的探求であり、極めて政治的な意味を孕んで広がる大地を多角的に見つめたパノラマであり、そして海を思い起こさせる映像詩である。
 

ジョシュア・ボネッタ

1979年カナダ生まれ。アナログのフィルムと音を用いて劇場展示、パフォーマンス、インスタレーションなどの形で発表している。現在、ニューヨーク州のイサカ・カレッジの准教授として映画とビデオアート、サウンドアートを教えている。
 

J. P. シニャデツキ

1979年、アメリカ・ミシガン州マルヌ生まれ。
哲学、映画、中国語および中国文化を学んだ後、ハーバード大学で東アジア研究の修士号、メディアの社会人類学で博士号を取得。アーティスト、映像作家、人類学者であり、現在はアメリカ・イリノイ州エバンストンのノースウエスタン大学でドキュメンタリーメディア専攻の修士課程で映画制作を教えている。
 

 

上映日

東京:5/3 21:15, 5/7 18:45 プログラム T
京都:5/20 16:30 プログラム T
福岡:6/4 13:50 プログラム T
名古屋:6/22 18:40 プログラム T
 
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