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無題

無題
 

ミヒャエル・グラヴォガー+モニカ・ヴィリ/デジタル/105分/2017(オーストリア)
 
「私は、世界の見方を示したいのだ。特定のテーマを追いかけたり批判したりせずに、漫然と進めていく時にだけ浮かび上がるものを。自分の興味や直感だけに従って彷徨いながら。」(ミヒャエル・グラヴォガー)
 
2014年4月のミヒャエル・グラヴォガーの突然の死の後、長年にわたりコラボレーションしてきた編集者であるモニカ・ヴィリが、グラヴォガーの遺した4ヶ月19日に渡るバルカン半島諸国、イタリア、北アフリカ、西アフリカの旅で撮影したフッテージを元に制作した。開かれた目と心で世界へと出て行った旅だ。じっと見つめ、耳を傾け、体験する。撮影された時と同じように、映画制作においても編集の際もセレンディピティを大切にし、それに従った。
 

ミヒャエル・グラヴォガー

1959年12月3日、オーストリアのグラーツに生まれる。高校卒業後、サンフランシスコ芸術大学とウィーンフィルムアカデミーで学ぶ。カメラオペレーターのアシスタントを務めた後にカメラマンとして活動、その後脚本家・監督になる。1981年から2013年の間に、短編映画、ドキュメンタリー、長編映画を多数発表した。近年は文学作品を執筆しており、「69 Hotelzimmer」は死後出版された。
本作を撮影中の2014年4月、リベリアのモンロビアで亡くなった。ジビュレ・ベルク、エーファ・メナッセ、ミハエル・オストロフスキ、ウィリアム・T・ヴォルマンといった作家との作品の長編映画製作が進んでいたが、その早すぎる死により中断されることとなった。
 

モニカ・ヴィリ

1968年5月29日、オーストリアのインスブルック生まれ。長年ミヒャエル・グラヴォガー(『France, Here We Come!』、『ワーキング・マンズ・デス 労働者の死』『Contact High』、『Whores’ Glory』など)やミヒャエル・ハネケ(『ピアニスト』、『タイム・オブ・ザ・ウルフ』、『白いリボン』、『愛、アムール』、『Happy End』)の編集を担っている。また、バルバラ・アルベルト(バーバラ・アルバート)(『Northern Skirts』、『Free Radicals』、『The Dead and the Living』)やフロリアン・フリッカー(『Suzie Washington』、『Hold-Up』)の作品にも参加している。これまで、数々の賞を受賞・ノミネートしている。『Whores’ Glory』(11/ミヒャエル・グラヴォガー監督)でオーストリア映画賞、『白いリボン』(10/ミヒャエル・ハネケ監督)でドイツ映画賞にノミネートした。2012年には、ミヒャエル・ハネケ監督の『愛、アムール』でセザール賞に編集でノミネートした。オーストリア映画賞の最優秀編集賞をバルバラ・アルベルトの『The Dead and the Living』(12)で受賞、ハネケの『白いリボン』(09)とバルバラ・エデルの『Thank You for Bombing』(16)でFilmplusの最優秀長編映画編集賞を受賞。本作『無題』が共同監督デビュー作。
 

 

上映日

東京:5/2 18:45, 5/7 16:15 プログラム R
京都:5/13 11:00 プログラム R
横浜:6/17 11:30 プログラム R
名古屋:6/25 10:30 プログラム R
 
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