山中千尋／デジタル／カラー／5分／2017
　
絵を描く時、頭の中で過去見た景色を往来しているうち、新しい景色が生まれては消えてゆきます。それを映像作品に閉じ込めました。「居場所」は私達を守り、またその場に縛り付けます。映像の中の少女は居場所を自由に動き回り、ふとした瞬間木に挟まれている自分に気付くのです。（Y.C.）
　
線描、絵の具、CGと、様々な技法のアニメーションによって次々に映し出されていく風景。そこへ、一心不乱に絵画を描く少女の後ろ姿が実写で挟みこまれる。未成熟で安定的ではない画面作りが、夢の中のような無秩序さ、記憶のような曖昧さ、揺れ動く若き芸術家の心をそのまま形にしたような、危うい静けさを生み出している。
　

山中千尋

兵庫県生まれ。2017年神戸芸術工科大学ビジュアルデザイン学科卒業。大学1年次からイラストを学び、3年次に映像を学んだことで、絵と映像を混合した作品を作りはじめる。卒業制作として、2017年『生まれたときから木に挟まれて動けない人』を制作。

　

上映日

東京：4/29 13:45,5/4 16:15　プログラム B
京都：5/16 13:45 プログラム B
福岡：6/2 13:50 プログラム B
名古屋：6/21 14:50 プログラム B