パット・オニール (1939-)はアメリカ実験映画の中でも特異な存在である。アヴァンギャルドとその対極にあるハリウッドの両方に長く関わった作家で、60年に及ぶキャリアを通じてオプチカル・プリンターを駆使したユニークな実験映画と並行して自らの会社でハリウッド映画の特殊効果スペシャリストとしても活躍した。 処女作『海辺にて』(63)から代表作『ウォーター・アンド・パワー』(89)までを含むその刺激的な傑作群とともに、新たなる映像表現の世界を切り拓いてきたそのキャリアを概観する。