PROGRAM

C 東アジア・エクスペリメンタル・コンペティション3

【東京】シアター・イメージフォーラム:9/18(SUN) 13:30、9/20(TUE) 16:00
【京都】京都みなみ会館:10/8(SAT) 18:30
【名古屋】愛知芸術文化センター:11/23(WED) 15:45

4作品98分

台湾 / ドイツ

照明

ムスクィーキ・ジーイング / デジタル / 21分 / 2021年

これまでカメラを作ってきた人たちは黒人の肌のことを考えていなかった。本作は、技術開発と映像制作に関わる差別の問題を探求したドキュメンタリーである。台湾の半導体メーカーが、アフリカで人気のあるスマートフォンのカメラ・アルゴリズムをどのように設計していったかなど、差別に対抗する様々な試みが語られていく。

ムスクィーキ・ジーイング
台湾とベルリンを拠点に活動する映画作家。物理的及びバーチャル空間で流れ循環する視聴覚要素によって構成される文化と社会におけるアイデンティティを探求している。主に映画と音などのマルチメディアを用い、世界的資本化の進む現代における人間の状態と環境システムの変化を実験している。

日本

雪解け

ノガミカツキ / デジタル / 3分 / 2021年

古びた家屋の中庭。ゆっくりと雪が舞い降りる侘しい風景は突如として去来する巨大な石像によって急転する。 役目を終え無用となった様々な人工物が落下する様は過疎化した村や町を象徴しているのだろうか? ガラガラと音を立てながら暴力的に降りそそぎ庭を覆い尽くす様子は怒りの爆発のようにも楽しげな歓声にも感じられる異色作。

ノガミカツキ
ベルリン芸術大学オラファー・エリアソン・ゼミに留学。武蔵野美術大学卒業。アルスエレクトロニカや文化庁メディア芸術祭、ifva香港を始めとした受賞多数にBehind the Mac、Forbes U30、映像作家100人に選出。大阪に公共作品を恒久設置。

日本

I’m Late

冠木佐和子 / デジタル / 10分 / 2021年

「生理が来ない」。そう言われた、もしくは伝えた時、あなた(のパートナー)はどんな反応をしましたか? セックス、妊娠、出産——ここ日本では敬遠されがちな「性」に関するリアルな声が、ドキュメンタリースタイルで展開するアニメーション作品。エロティックでコミカルな作風で好評価を得ている作者が新境地を開拓した。

冠木佐和子
アニメ映画監督。1990年に東京で生まれ、日本のポルノビデオ制作会社にて助監督として働いた後、多摩美術大学のグラフィックデザイン学科に入学し2016年に卒業。現在は主に彼女自身の作品として、及びクライアントに依頼され少しエロティックな映画の製作に携わっている。これまで20ヶ国以上の映画祭から選出され20以上の賞を受賞。『夏のゲロは冬の肴』(16)はアヌシー国際アニメーション映画祭で日本人学生として初の受賞をしている。

日本

幾多の北

山村浩二 / デジタル / 64分 / 2021年

『文學界』の表紙として連載されたイラストをアニメーション化。作者の初長編で、アヌシー、ザグレブなど各地の国際映画祭で高く評価されている。「北はどこの北も寂しい」、「これは北で出会った人の記憶だ」。全カットが緻密な絵画のように構成され、謎めいた独白のようなテロップとともにシュールな光景が展開していく。

山村浩二
1964年生まれ。『頭山』(02)が第75回アカデミー賞にノミネート、アヌシー、ザグレプ他6つのグランプリを受賞、「今世紀100年の100作品」に選出される。『カフカ田舎医者』(07)がオタワ他7つのグランプリを受賞、アニメーション作品の受賞は100を超える。2021年、過去25年間の優れた短編監督25人のトップ2に選出。「おやおや、おやさい」「ぱれーど」他絵本作家としても活躍。2017年、NHKおかあさんといっしょ「べるがなる」の作詞を手がける。川喜多賞、芸術選奨文部科学大臣賞受賞、紫綬褒章受章。映画芸術科学アカデミー会員(米)、ASIFA日本支部理事、日本アニメーション協会副会長。

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