PROGRAM

D 東アジア・エクスペリメンタル・コンペティション4

【東京】シアター・イメージフォーラム:9/18(SUN) 16:00、9/21(WED) 18:30
【京都】京都みなみ会館:10/9(SUN) 13:30
【名古屋】愛知芸術文化センター:11/26(SAT) 11:00

4作品102分

香港、シンガポール

長い道のり

エリサ・ウェンディ、リー・ワイセン / デジタル / 15分 / 2022年

涼しげな山間を流れる小川の風景から一転、カメラは人工的に作られたトンネルの中を踊りながら歩く男をとらえる。ゆっくりと回転するカメラは観るものの平衡感覚を奪い、まるでSF宇宙映画のような無重力状態の浮遊感を与える。マレーシア出身のコンテンポラリー・ダンサー、オン・ヨン・ロックが舞踏する男を演じている。

エリサ・ウェンディ
シンガポールと香港の間で活動しているダンスアーティスト及び映像作家。場所と時間、伝記など過去の痕跡から生まれる記憶の具現化に没頭し、これらのテーマを自身の人生と映画活動によって探求し続けている。短編『1985 Delivery』は2018年南台湾映画祭で最優秀実験映画賞を受賞し、『Forgive or Not to Forgive』は2020年の香港アートハウス映画祭にて最優秀ドキュメンタリー賞を受賞している。

リー・ワイセン
視覚的コミュニケーションについて学び卒業後に個人の映像作家として自身のキャリアを始めた。作品『A Rock』は第5回ダンス・オン・スクリーン映画祭で審査委員賞を受賞。過去には中国自主製作ドキュメンタリーラボでプロダクション補佐として勤め、自主製作映画団体1930コレクティブの設立者の一人でもある。

日本

TUNOHAZU

手塚眞 / デジタル / 32分 / 2021年

東京・新宿。林立する高層ビル群。地下から地上へと上がってきたダンサーは、脚を高く上げ、手を大きく振り、まるで大都会と対峙するかのように踊り出す。上昇する超高層ビルのエレベーターの中で踊り、上層階の一室でポールダンスを踊り出す。地下から天空へ、圧巻のパフォーマンス。題名はかつて新宿にあった地名「角筈」に由来。

手塚眞
東京生まれ。ヴィジュアリストという肩書きで、映画を含む表現活動全般を行なっている。長編映画『白痴』(99)でヴェネチア映画祭デジタル・アワード受賞。『ばるぼら』(19)でファンタフェスティバル最優秀作品賞、ルスカ・ファンタスティック映画祭最優秀監督賞受賞。他の代表作品に『MODEL』(87)、『NUMANITE』(95)、『NARAKUE』(97)、『実験映画』(99)、『MIND THE GAP』(21)などがある。

台湾 / アメリカ

おばあちゃんのはさみ

エリカ・シュー / デジタル / 6分 / 2021年

花の数々、山の木々、打ち寄せる波、窓を伝う雨粒……。揺らぎながら花に寄ったり遠ざかったり、ピントがあったり外れたり、感性豊かな独特のカメラワークとモンタージュだ。8ミリフィルムの詩情に満ちた質感は記憶のかなたを導くかのように、祖母との思い出を語って展開する。オーバーハウゼン国際短編映画祭等で上映。

エリカ・シュー
セルロイドフィルムを用いて短編映画、拡張映画、展示を制作している。主に映像日記や世代間を超えた記憶、歴史、言語、集団化された単一性、台湾のアイデンティティの為の政治についての作品を制作。ニューヨーク映画祭、ロッテルダム国際映画祭、オーバーハウゼン国際短編映画祭、台湾国際ドキュメンタリー映画祭など数々の映画祭で上映された。シューは台湾の実験映画団体ReaRFlexのメンバーでもある。

日本

合成人間のリハビリ

芹沢洋一郎 / デジタル / 49分 / 2022年

「主題と手法の一致」をテーマに掲げる作者が1993年の『合成人間』以来温めていた「続編」をついに完成させた。「見るもの」と「見られているもの」が合成されるという特異なコンセプトを展開させ、今回は複数の視点が取り入れられる。作者の友人2人と娘、日本各地の離れた場所にいる3人は何を見つめるのだろうか。

芹沢洋一郎
1963年生まれ。17歳で『まじかよ?』がPFF81入選、自主映画の存在を知る。流血物を連作後、ロベール・ブレッソンと奥山順市から「主題と手法の一致」を学び作風を転向。『殺人キャメラ』(96)後沈黙。20年ぶりに『サヴァイヴァル5+3』(16)で再開。

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