PROGRAM

A 東アジア・エクスペリメンタル・コンペティション1

【東京】シアター・イメージフォーラム:9/25(SAT)11:00、10/1(FRI)15:45
【京都】Lumen Gallery:10/30(SAT)11:00
【名古屋】愛知芸術文化センター:11/26(FRI)11:00

4作品92分

日本

向こう岸の在る

藤谷東 / デジタル / 11分 / 2021年

グエンの勧めで日本へ渡ったダンだが、帰国後彼は塞ぎ込みその理由を話そうとしない。ベトナムで元技能実習生に取材した作者が、日本に帰国後ベトナム人実習生が違法に原発除染作業に従事させられていた問題を知り、制作した短編。全く異なる運命を辿ることになった同郷の二人の揺らぐ視線が交錯するラストが深い余韻を残す。

藤谷東
地方公務員として働く傍ら、映画制作をはじめ、2020年に独立。他の作品に『スリー・ピース』(18)、『若い二人』(19)、『在りし人』(20)、『My Films』(21)。

日本

grained time vol.5 walker(s) on the crossroad

五島一浩 / デジタル / 4分 / 2021年

車道の信号が赤に変わり、青になった歩道を歩き始める人の波。様々な場所、異なる時間に横断歩道を渡る多種多様な“歩く人”を記録した映像を1コマずつ抜き出しモンタージュした作品。眩暈のような連続するイメージと音響が奇妙な快感をもたらす。人間の感覚を分解・再構築する実験的な映像を作り続ける五島一浩の最新作。

五島一浩
1969年静岡県生まれ。視覚・映画原理を再構築する映像作品、インスタレーションを制作する。代表作に、特殊立体映像『SHADOWLAND』(13)、 コマのない動画カメラシステム『これは映画ではないらしい』(14)等がある。

中国

だるまさんがころんだ

ホン・シャオ / デジタル / 5分 / 2020年

幼年期の遊びから着想を得た“時間”をテーマにしたアニメーション。子供同士の遊びの最中に、時が静止した世界の中に閉じ込められてしまった少年が見たものとは? スケッチブックにシンプルな描線で活写した日常風景がやがて空想の世界へと展開する、その表現力に注目。原題の「写王字」は中国版の“だるまさんがころんだ”。

ホン・シャオ
上海在住のイラストレーター、アニメーション作家。短編映画や絵本なども制作している。好みの題材は幼年期の体験。幼年期を的確に描くことは、大人の内的な強さを刺激する1つの方法であり、人間の成長の基盤であるその時期は人生におけるもっとも可能性に満ちた段階であると考えている。

日本

零へ

伊藤高志 / デジタル / 72分 / 2021年

バットを振り下ろす、スコップを引きずる……。伊藤高志作品独特の強迫的な描写が散りばめられた作者の集大成的作品であり、新境地を開く長編である。映画を撮る女子大生、男の手首を捨てるために放浪する女、黒い衣裳に包まれた女の幻影に怯える男……いくつかの物語が、静謐だが強い緊張感を持って交差し、やがて“零”へと向かっていく。

伊藤高志
1956年福岡生まれ。大学在学中、松本俊夫ゼミで発表した実験映画『SPACY』(81)が国内外の映画祭で絶賛。超現実的な視覚世界や人間に潜在する狂気や不条理を追求。代表作に『ZONE』(96)、『静かな一日・完全版』(02)、『最後の天使』(14)、『三人の女』(16)。



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