シアター・イメージフォーラム(東京):9/26 21:15, 9/30 11:00
1作品74分
サラエヴォにある映画館の映写室に住む老女セーナ。映画館にかかる白黒のフィルムと、居住空間に響き渡る音響が、彼女の記憶を刺激するIFF2019で『時間の木』が話題となったアンドレ・ジル・マタの観察ドキュメンタリー。
古びた映写機を掃除し、コーヒーを淹れることからセーナの一日は始まる。彼女が住みついている映写室には、キッチンもダイニングテーブルもある。時々、友人たちが彼女を訪れる。スクリーンにしばしば映されるのがセルビア人女優エヴァ・ラス。旧東欧圏を象徴する映画スターだ。ユーゴスラヴィアがかつて掲げた理想、そしてその崩壊の過程で生じた惨たらしい暴力ー。共和国の苦い結末への想いが交錯する。