PROGRAM

E 東アジア・エクスペリメンタル・コンペティション5

シアター・イメージフォーラム(東京):9/27 13:15, 10/1 11:00
愛知芸術文化センター(名古屋):11/22 14:00
5作品78分

中国

ピンク・マオ

タン・ハン/デジタル/22分/2020

毛沢東の肖像が描かれた百元紙幣は一般的には赤と認識されているが、実際にはピンクではないのかという素朴な疑問に始まり、公式文書での定義、パソコンによる色彩解析、中国伝統文化における赤、共産主義の象徴としての赤へと探求は続き、ピンク色がになってきた歴史・政治・文化的文脈と交差させ、毛沢東というイコンをながめる。

日本

I AM NOT HERE

KURiO/デジタル/9分/2019

古い雑誌、テレビ、スナックの包装紙…。一見明朗なメディアに現れる日常的なイメージの数々が、突然グロテスクな悪夢に変容する。それは作者の不安の現出であった筈が、とめどなく世界を覆い尽くす様はどこか楽しげでもある。アナログ的な肌触りを残しつつ、確かなテクニックで構成されるクレイジー&キュートなコラージュ・アニメーション。

台湾

無住の地.

ツェン・ユーチン/デジタル/10分/2020

闇夜。街灯に照らされて若い男や女が背中を向けてひとり佇んでいる。蛾のように飛び交う白い影が画面を横切り、その小さな影は灯に照らされて一面を浮遊している。虫の鳴き声、遠くを通る車やバイクの走行音が聞こえることはあるが、静寂の中、男や女はただただ無言で下を向く。そうしたショットの集積だけで成立させたミニマル風景映画の快作。

日本

トシ シ

大木裕之/デジタル/12分/2020

札幌文化芸術センターSCARTSの地下歩道映像制作プロジェクトとして制作した作品。本来は4台のプロジェクターによる12mの横長のスクリーンで上映された。形式的な実験に回収されないのは、作者の作品世界を貫く生きることと等価をなす制作の執拗さだ。光と記憶の点滅、増幅された言葉の美しさと強さ。都市と年と詩とひととき。あゝ、ひとよ。

香港

風景

イップ・ユック=ユー/デジタル/25分/2020

2014年から2019年までの香港の断片的な記録。雨傘運動や抗議デモなど、マスメディアの報ずる現場の前後にある、変哲もない日常と不穏な空気が入り混ざる風景を眺めた。繰り返して挿入された海、風、人の流れから、ふっとジョシュア・ウォンの言葉を思い出した。「希望があるから継続するのではなく、継続することで希望が見えてくる」。



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