PROGRAM

D 東アジア・エクスペリメンタル・コンペティション4

シアター・イメージフォーラム(東京):9/27 11:00, 10/2 15:45
愛知芸術文化センター(名古屋):11/22 11:30
5作品78分

日本

赤い玉がない!

山口健太/デジタル/19分/2020

「俺」が夜遅く帰宅しシャワーして全裸で出てきても、悪友「松田」の冷静さにムカついて朝から八つ当たりしても「ママ」は全然平気だ。大イビキをかいて爆睡するわ、仏間で上機嫌でダンスするわ。比べて「俺」は何にイラついてる?!映画男子の妄想はそんな愛すべき母と腐れ縁のシネ友とを巻き込んで「赤い玉」と化し脳内でバクハツする。

日本

山本翔/デジタル/17分/2019

醜い容姿の男が虐げられ、恋した女に裏切られ、絶望の果てに神の姿を求める。よくある古典的な話だが! よくもここまで「醜さ」を入念に描ききったな、とその執念に感服する。とりわけ中盤のキスシーンは超ド級のエグさである。作者は醜い登場人物4人の人格をマックスまで増幅させたところで真逆の純粋な神を立ちあがらせる。その神はアートか?

韓国

答えのない電話

イ・セウン/デジタル/6分/2020

さまざまな画法を組み合わせつつ“、アンドレ・ブルトンによるエッシャー絵”のような独特の世界観を持つアニメーション作品。歪んだパースのような立方体としての建造物の遠景から、その内に棲む人々の点景がクローズアップされる。そしてそれらの人物の現実=幻想=妄想(口から迸るインク、家であり大洋でもある建造物、文字に侵食される建造物etc)が交錯し膨張していく。

中国

白露

チェン・シー + アン・フー/デジタル/5分/2019

移り気な男が女の寝室を渡り歩く。しかし奇妙なことにどの部屋も同じ造り。外は宇宙のような漆黒の闇。気づくと小窓から一部始終を覗いていたこちらの立ち位置までもわからなくなる。ここは月の満ち欠け両方の見られる場所、陰と陽の交わるところか。画面の微かな点滅がチリチリとしたノイズと古琴の響きに相乗し戦慄と悦楽がループする。

中国

11,565キロ・プロジェクト

ベイチェン・チャン/デジタル/31分/2019

2019年、ペンシルベニア大学考古学人類学博物館で展示された古代中国の石棺に喚起され、その遺物が発掘された山東省までの地理的(米国東部から青島、遼東半島経て発掘現場へ)、時間的(近現代史から古代史へ)道程を遡行する静謐な現風景に彩られたイメージの旅。



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