シアター・イメージフォーラム(東京):9/26 15:45, 10/2 11:00
愛知芸術文化センター(名古屋):11/21 14:00
4作品86分
臓器移植の手術を受けたガラス工芸作家の声がかぶさり、彼が見たガラスのカタチと細胞のカタチをめぐって大胆な発想から生まれた物語が展開する。源を景色から発想する作者のライフワークとiPS細胞の研究員とのコラボで、一致した何かの事柄を見つけ出す試みでもある。ガラス窓は主人を知らない。細胞も主人を知らないと解釈するのも一興か。
深夜、前触れ無く訪れる根拠のない不安、焦燥感。最初微かだったそれは肥大化し、自立し、やがて誰かの声で私に語り始める。ワンルームの日常、そこに生じた微かで不穏なひび割れから、次第に滲み出す濃密な闇の気配。モノクローム写真を連続して映し出す「フォトロマン」手法によって、存在しない物語への予感と不安が描かれる。
犬の頭で出来た謎の星と、そこに降りたった人間の運命を描く、デジタル作画による2Dアニメーション作品。もろ出し出産シーンからはじまり、首が吹き飛ぶシーン、船内セックスシーンを経て、星に到着。後半、「一体どうなってしまうのだろう」と思わせてからのダンスシーンが素晴らしく、まるで、食べてはいけないものを食べた日の悪夢のよう。
中国東北部の朝鮮族に生まれた作者が延辺、ソウル、東京と場所を移しつつ、母親との関係やセクシャリティについて心情を吐露していく。時にはフィクションシーンや恋人と撮影した8ミリフィルムなども挿入され、表現者になると宣言し、映像と格闘する作者の姿が初々しい。荒削りだが、映画を通して何かを表現したいという思いがあふれる意欲作。