PROGRAM

A 東アジア・エクスペリメンタル・コンペティション1

シアター・イメージフォーラム(東京):9/26 11:00,10/1 13:15
愛知芸術文化センター(名古屋):11/21 11:30
5作品83分

日本

TSUKURIME

手島亜矢子/デジタル/12分/2020

「失明するかもしれないけれど、今を存分に楽しむことにした」。朝靄の住宅地を撮ったオープニングショットに衝撃。視覚に進行性の病を抱える作者は、手芸や食材を使って自らの視界を再現し“今”を語りだす。withコロナの時代、世界中が罹患を自覚して病との共生を模索している。“難病もの映画”とは一線を画すpoint of view!

台湾

震える壁.

ツェン・ユーチン/デジタル/10分/2019

連続する日常的な断片が物語を想像させる。どんちゃん騒ぎの後だろうか。空いた酒瓶や缶ビールが乱立し、20人近くはいると思われる若い男女が一室で重なり合うようにして雑魚寝している。モゾモゾと手足だけを動かしている者もいる。目を覚ました男女が抱擁し合うが、女の表情は疲れ果てているかのようで虚空を見つめている…。その視線の先には?

日本

差異と反復とコーヒー

工藤雅/デジタル/5分/2020

小さな喫茶店の一日を、グルグルと回転させながら描いた、鉛筆画によるアニメーション作品。カメラがパン回転しているため、画面に映し出されるのは常に店内の一部分のみ。それを利用し、カット割りや早送りのような処理をすることなく、時間を操作している点が見事。キャラクターの可愛らしさやユーモアも魅力の一つとなっている。

日本

⽣きる壁

黒坂圭太/デジタル/6分/2020

近年、ドローイング・アニメ作品を発表している黒坂圭太の新作。「生きる壁」とそれに引き寄せられて乗り越えていく若い息吹の動きを描いているが、横たわる大木や瀕死の怪獣のようにも見える「生きる壁」の形状変化は、その緻密で奔放なタッチによるドローイングと微かに聞こえる声の響きによって、想像力の自由な羽ばたきを喚起して魅力的である。

中国

盗賊にも仁義あり

マー・ランホア/デジタル/50分/2019

その政治的な腐敗と興亡が数多くの映画や演劇の題材にされる、明王朝末期の中国。この映画のベースとなった「四人の盗賊が張氏宅で大暴れして正義を貫くこと」は啓発的な世界を標榜して1620年に出版された。4世紀前の支配世界にアナーキーな立場で反旗を挙げた4人の盗賊たちを主人公に、9シーンのサイレント映画タッチで蘇えらせた実験的な手法による一編。



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