PROGRAM

《B》東アジア・エクスペリメンタル・コンペティション2

5作品90分

【東京】シアター・イメージフォーラム:9/19 (SAT) 13:30, 9/23 (WED) 11:00
【京都】出町座:10/19(MON) 19:50
【名古屋】ナゴヤキネマ・ノイ:11/9(MON) 19:30
【広島】広島映像文化ライブラリー:11/27(FRI) 16:00
【福岡】福岡市総合図書館

台湾・日本

月世界のアマチュア

ホアン・パンツアン+リン・ジュンニー/digital/22min/2025

アマチュア映画作家・吉川速男がフリッツ・ラングの『月世界の女』に触発され、SF 映画制作を志すというエピソードを軸に、戦前の日本と台湾のアマチュア映画の世界を描く。作品の多くは戦火で失われたが、本作の二人の作家は復刻された 9.5 ミリフィルムで全編を撮影。小型映画にかけた青年たちの情熱を鮮やかに蘇らせる。

ホアン・パンツアン(黃邦銓)
台湾生まれ。フランス Le Fresnoy 修了。記憶、旅、そして伝統的なフィルムを軸に制作。『Return』(17)と『去年列車が通り過ぎた時に』(18)で、クレルモンフェラン短編映画祭 LAB グランプリを 2018 年・2019 年に連続受賞した。

リン・ジュンニー(林君昵)
日本生まれ。建築学科卒業。フィルム、空間、戦前台湾の歴史をテーマに制作。『Yen Yen』(14)および『Before the Dawn』(20)は、クレルモンフェラン、サンパウロ、DMZ 国際ドキュメンタリー映画祭などに選出された。
2019 年より二人は共同制作を開始。小型フィルムの歴史と戦前日本・台湾の植民地関係をテーマに制作を続ける。初の長編ドキュメンタリー『Daughter of Nectar』(25)は、MoMA Doc Fortnight 2026 で上映された。

中国本土

宵星の歌

アイリス・サン/digital/23min/2026

夜のロサンゼルスをさすらう男。その耳に響き始める鳥の声は、やがて街の光を小鳥の群れへと変えていく。かつてこの地に広がっていた大自然は、いまやビル群の下に消えた。鳥の歌は、失われた風景の記憶を呼び覚まし、この土地に刻まれた歴史を静かに浮かび上がらせる。都市と自然、現在と過去が交錯する幻想的な映像詩。

アイリス・サン(桑霓)
北京を拠点に活動する映像作家、編集者、キュレーター。仏教の形而上学に着想を得た彼女の映像作品は、感覚する身体を探求するハイブリッドなマルチメディア作品という形式でしばしば表現される。これまでの映像作品やインスタレーション作品は、ヴィジョン・デュ・レールやタリン・ブラックナイツ映画祭などで上映・展示されている。現在、北京国際短編映画祭(BISFF)の Nova Competition のキュレーターを務めている。

台湾/イギリス

走

ウー・ハナ/digital/4min/2025

母親の古い中英辞典から「走(歩く)」という文字をめぐる思考が始まる。インクの描線やフィルムへのダイレクトペイントによって、「走」という文字や、想起されるイメージが次々と現れ、歴史的な意味から個人的な記憶まで、様々に姿を変える。言葉とイメージの間をさまよいつつ、世界を知ることについて思索する実験的作品。

ウー・ハナ
ロンドン出身のアーティスト、アニメーション作家。アナログな制作手法を通して、アニメーションにおける異文化間の可能性を探求している。英国王立芸術大学でアニメーションの修士号を取得。大和日英基金を通じて日本に、また華語文奨学金を通じて台湾にそれぞれ滞在し、学んだ経験を持つ。近年、ウィーンのミュージアムクォーターでのアーティスト・レジデンシーに選出された。

日本

新しいおうちにチュ!

幸洋子/digital/11min/2025

災害により家と飼い猫を失うかもしれないという不安に包まれていた幼少期の記憶を元にした作品。児童文学を思わせる台詞回しと軽快で賑やかな物語の展開に、イラストや切り絵など多彩な手法を織り交ぜる作者独自のスタイルが見事にマッチしている。手作業の温もりに満ちたアニメーションに猫への深い愛情があふれて見える。

幸洋子
愛知県出身、東京都在住。アニメーション作家・イラストレーター。主な作品に、『黄色い気球とばんの先生』(14)、『ズドラーストヴィチェ!』(15)、『夜になった雪のはなし』(18)、『ミニミニポッケの大きな庭で』(22)など。現在、笠間書院 note にて連載中の「Hello Witches!! 〜21 世紀の魔女たちと〜」では漫画とイラストを担当中。

中国本土

風隙

チョンルー・シンユェン/digital/30min/2026

惰性で付き合っていたパートナーとの間で予期せぬ妊娠をしてしまったミンは、中国ベトナム国境を目指してひとり当てもなく旅に出る。霧深い山間地帯で夢と現の間を彷徨う主人公の寄る辺なさを、全編広角カメラの特徴的なロングショットで捉えた。現代中国社会に生きる若者の心の機微を描いた、オフビートなロードムービー。

チョンルー・シンユェン
中国・杭州出身の映像作家。エッセイ・フィルム『Jet Lag』(22)は、第 72 回ベルリン国際映画祭フォーラム部門で初上映された。また、長編デビュー作『The Cloud in Her Room』(20)は、ロッテルダム国際映画祭でタイガー・アワードを受賞。メディアの境界と、表現するという行為そのものを探求する、独自の視覚的実践を追求している。



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