4作品66分
【東京】シアター・イメージフォーラム:9/28(SUN)11:00am、10/1(WED)4:00pm
【京都】出町座:11/10(MON)7:35pm
【名古屋】ナゴヤキネマ・ノイ:11/26(WED)1:10pm
1945年3月10日の東京大空襲の惨劇を証言によって語る。中心となるのは、4歳の息子の手を引き、8ヶ月の双子の娘たちを背負って猛火から逃れようとした、当時24歳だった母の語りだ。証言は「東京大空襲・戦災史」(同編集委員会編/1973)他から抽出。母が逃げ惑った現在の東京の川面や公園の映像が、その歴史を包み込んでいるようで胸に迫る。

若林 みちる
大学の卒業制作をきっかけに、映像制作を始める。イメージフォーラム映像研究所 映像アートコース/専科コースで学ぶ。武蔵野美術大学大学院修士課程映像・写真コースに在籍中。現在、本作品を中心に、⻑編作品の制作を進めている。
家族をめぐる妄想譚のようなアニメーションである。“私”の語りで進行する。母は“私”を「裏切者」と呼んだ。祖母は蜘蛛に変身し、絶え間ない苦難で巣を張っていた。ちぎられた指や、床や体を這う無数のカタツムリ–––。“私”の前に現れる不穏なイメージに満ちた本作は、女性に生まれた宿命とは何かを問いかけて展開する。

施 聖雪
中国杭州生まれ。2025年東京藝術大学大学院映像研究科アニメーション専攻修了。アニメーター、イラストレーター。他の作品に、『告白夢』(2022)、『黴』(2023)。
かつて炭鉱業で隆盛した台湾北部の山間地・侯硐(ホウトン)。その昔、周囲の洞窟には多くの猿が生息したが、人間により抹殺されたという。過酷な炭鉱労働の記憶が生者の証言を通じて静かに紡がれると、やがて土地に息づく死者たち、そして霊/神なる存在が詳らかになる。美しい映像で描く、イマジネーションに満ちたドキュメンタリー。
ソン・チェンイン
台北国立芸術大学卒業。これまでに複数の映画で監督、脚本家、編集者として活動してきた。
フー・チンヤ
台湾・台北を拠点に活動している。かつては台湾の独立系メディアのフリーライターとして執筆していた。現在は社会変動下の人間の状況に関するドキュメンタリー制作を行っている。
ドラマチックなストーリーがあるわけではないが、吸引力が光るアニメーションである。犬と散歩する、指輪を指にはめる、長い髪を掻き上げる–––繰り返されるなんでもない行為が、柔らかなタッチ、淡い色彩で描かれ、ゆったりとしたテンポで、少しずつミステリアスに変化していく。2025年のベルリン国際映画祭短編部門で銀熊賞を受賞。

水尻 自子
身体の一部や日常的なモチーフで感触的に表現するアニメーションを制作している。短編作品のほか、MVや広告、展示映像の制作なども手がける。短編映画作品は数々の国際映画祭で上映・受賞。過去作に、カンヌ国際映画祭監督週間でプレミア上映され計15の国際的な賞を受賞した『不安な体』などがある。
