4作品77分
【東京】シアター・イメージフォーラム:9/27(SAT)4:00pm、10/2(THU)6:30pm
【京都】出町座:11/8(SAT)7:35pm
【名古屋】ナゴヤキネマ・ノイ:11/23(SUN)1:10pm
両親との関係や性アイデンティティの問題など、作者の経験をもとにした荒々しいタッチのアニメーションが展開される。それは主観的なつらさであると同時に、自身について語ることの苦しさの表れでもある。独特なテロップは湖南省に伝わる女性文字とのこと。魯迅の小説に登場する女性・祥林嫂に捧げられているのも興味深い。

女尼子
旅の途中の難民、ホストファミリーの一員、神経多様性スペクトラムに属する人。
カジノ観光産業が市民生活に多大な影響を及ぼす、”東のラスベガス” マカオから届いた幻惑の映像詩。流れ行く現代マカオの都市風景をバックに、画面を占有するのは観客の目を欺くがごとく披露されるトランプマジックだ。カジノから蹴り出された “ジョーカー” の目を通して描かれる、美しく皮肉に満ちた幻想都市のおとぎ話。

ラウ・ゲンユー
映像作家、アーティスト。英国ボーンマス芸術大学の映画監督専攻で学士号を取得。映像の多様な物質性を用い、現実の認識や想像がいかに操作、生成されるかを示す拡張的比喩として、演劇的マジックのパフォーマティヴィティを探求している。彼の作品は、現代マカオにおけるアイデンティティ、記憶、そして未来性の概念を反映し、屈折させるものである。
アニメーションらしい独創的な作品だ。電柱に一羽の大きなカラスが止まっていた。少年が見上げていると、どこからか声が聞こえた。カラスだった。カラスは少年の前に真っ白なフンを落とし、その飛び散った形を「これは星だ」と言った–––。文明批判とも取れる寓意を含んで展開。少年は「汚い」と思ったフンを “星”に見えるようになるのだろうか?

野坂 睦斗
2003年生まれ。埼玉県出身。アニメーションを中心としたMusic Videoなどの制作を行う。
主人公の女性は精霊に取り憑かれた役のオーディションを受けている。だが、彼女が語っている言葉は誰のものなのか。物語は多層化され、時間は交錯し、トリックが隠されている。やがて意識を奪われた人間のように、映画が語る”真実”が曖昧になっていく。1作ごとに語りの実験を深化させている韓国の新鋭ユ・チェの最新作。

ユ・チェ
ソウル(韓国)およびシカゴ(米国)を拠点とし、音響と映像の異なる表現的役割を実践することに関心を持っている。彼女の映画作品は、身体のジェスチャーのリズミカルな連続性が、個人間の関係性が解消される一時的な場所とどのように結びつくかを探究するものであり、国際的にさまざまな映画祭や会場で上映されている。
