PROGRAM

《A》東アジア・エクスペリメンタル・コンペティション1

3作品75分

【東京】シアター・イメージフォーラム:9/27(SAT)11:00am、10/2(THU)9:00pm
【京都】出町座:11/7(FRI) 7:35pm
【名古屋】ナゴヤキネマ・ノイ:11/22(SAT) 1:10pm

香港

初めの写真

ジェス・ラウ・ツィンワ / デジタル / 11分 / 2024 《寺山修司賞》

「フェンスを越えれば別の世界に行けると思っていた」——。1978年8月、父は友人二人と二度目の逃亡を図った。距離にして200km、中国から香港を目指し三人は草叢を進み続けた。8月18日、遠くイギリスではスージー&ザ・バンシーズがプロテスト・ソング「香港庭園」をリリース。その朝、父は——。混沌の社会史の中に失われた個人史を紡ぎ出す。

ジェス・ラウ・ツィンワ
1991年、香港生まれ。ビデオ、アニメーション、インスタレーションを媒体として制作を行うアーティスト。彼女の制作実践は、物語の断片、身体の記憶、時間性を、重層的かつ手作業によるプロセスを通じて探究するものであり、その作品はしばしば現実と虚構の境界を曖昧にする。現在は香港と台湾の双方を拠点として活動している。

日本

霞始めてたなびく

山中 千尋 / デジタル / 5分 / 2025

2月、大気が緩み里山には霧がかかる。幾層にも重なった色彩豊かなアニメーションがリズミカルに変容し、時に明度を変え、その季節の里山の移ろう風景がスクリーン上に鮮やかに再現される。「風景画によるアニメーション表現の探求」をテーマに制作を行ってきた作者の最新作。アヌシー国際アニメーション映画祭2025学生部門で上映。

山中 千尋
2025年東京藝術大学大学院映像研究科アニメーション専攻修了。他の作品に、『生まれたときから木に挟まれて動けない人』(2017)、『Sleeping Moon』(2018)、『Into a Landscape』(2024)

中国本土 / ドイツ

敵意ある風景

ジャン・ハンウェン / デジタル / 59分 / 2025 《大賞》

2021年10月、脱北者チュ・ヒョンゴンが吉林省の刑務所から脱獄した。チュは40日間の逃亡の末、豊満ダム近くで警察から銃撃を受けて負傷、拘束される。北朝鮮から中国の旧満州国に跨る地域を横断して逃亡した男の足跡を追いかけ、いまなお容易に触れることができない東アジアの近代史に迫ろうとする風景映画。

ジャン・ハンウェン
中国・長春出身のアーティストおよび映像作家。芸術的リサーチとフィールドワークに基づく彼の作品は、特定の風景やインフラ、日常的活動を映像とテキストを通じて考察し、それらを地域的、個人的、超国家的、歴史的、イデオロギー的コンテクストに織り込むのが特徴である。近年は東アジアの近現代史を背景に、社会的に周縁化された個人の亡命や複雑な植民地遺産、秘密結社の活動を研究の対象としている。



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