PROGRAM

《E》東アジア・エクスペリメンタル・コンペティション5

【東京】シアター・イメージフォーラム:10/1(SUN) 15:3010/4(WED) 18:30
【京都】京都文化博物館11/19(SUN) 14:30
【名古屋】愛知芸術文化センター:11/26(SUN) 13:30

5作品79

中国 / 日本

異郷

陳 爽 / デジタル / 10分 / 2022年

モンゴルの草原に建つゲルの中で民族衣装を身に纏った少女は母に言う。「明日、お父さんを捜しに日本に行く」。少女は父親に会ったことがなかった。恐山に行き、そこで謎の女に導かれるように父親に会う。父親は縄で縛られた柱時計を抱え、学生服姿であった–––。これは夢なのか? 寺山修司的表象が散りばめられた異色作。

陳 爽
陳爽(ちんそう)、中国の遼寧省阜新モンゴル民族自治県出身。中国の少数民族であるモンゴル民族。2018年来日、2023年3月、名古屋市立大学芸術工学研究科大学院の映像制作専攻を修了。

中国 / 日本

Sewing Love

許 願 / デジタル / 9分 / 2023年

ある孤独な男のもとに、ある女が偶然に逃げ込んでくる。二人は運命的な出会いを果たし、愛を育んでいくのだが……。自己愛や独占欲といった愛のしがらみにまつわる物語が、具象性と抽象性を自由に行き来するドローイング・アニメーションならではの表現によって、ノンストップで展開される。新進作家による力強い意欲作。

許 願
1995年中国上海で生まれ。2017年6月華東師範大学視覚デザイン学科学部卒業。2023年3月多摩美術大学デザイン専攻グラフィックデザイン領域大学院修了。

韓国

デリバリー・ダンサーズ・スフィア

アヨン・キム / デジタル / 26分 / 2023年

主人公は宅配サービス「デリバリー・ダンサー」の配達人。彼女は毎日、ネオン瞬く近未来のソウルをバイクで疾走する。迷宮のような街の中、もう一人の自分と出会った彼女のアイデンティティは次第に崩れていく——。多様なデジタル表現を用いビジュアル・アーティストとしても活動する作者による、視覚的刺激に富んだ最新作。

アヨン・キム
ビジュアル・アーティストであり映像作家。思いがけないアイデアとの出会いに焦点を当て、世界の状況について読む、聴く、考えるための新たな形を生み出すべく、スペキュレイティブ・ストーリーテリング(思弁的物語)の手法を作品に取り入れている。彼女の作品は、ビデオ、ソニック・フィクション、VR、テキスト、パフォーマンス、シミュレーションゲームの形態をとり、展覧会、パフォーマンス、出版物として発表されている。これまでにヴェネツィア・ビエンナーレ(2015年)、パレ・ド・トーキョー(2016年)、コリア・アーティスト・プライズ(2019年)、シャルジャ・フィルム・プラットフォーム(2019年、2020年)、ベルリン国際映画祭(2020年)、アジアン・アート・ビエンナーレ(2021年)、ビデオブラジル(2021年)、シャルジャ・ビエンナーレ(2023年)で展示・上映を行った。

日本

mom is どこ

竹原 結 / デジタル / 5分 / 2022年

実写とアニメーションの合成作品。落下するイメージや車の前進ショットなどが実写で描写され、そこに赤ん坊や子どもの姿などが手描きの線画で重ねられる。ユニットバスでシャワーを浴びる、その排水口から覗く謎の目–––。意表をつくショットが、赤ん坊を抱いた母のイメージに向けて、目にも止まらぬ速さで展開される。

竹原 結
2000年生まれ。東京藝術大学映像研究科在学中。”不気味さ”をテーマに内的/外的なコンプレックスをアニメーションで表現している映像作家。

日本 / ベルギー

スピリアールト

リサ・スピリアールト / デジタル / 29分 / 2023年

ベルギーの象徴主義画家、レオン・スピリアールト(1881-1946)。自分がアーティストになったのはその血脈のせいなのか? 『N・P』のリサ・スピリアールトが、古い家系図を掘りかえし、美術史家との面談やDNA鑑定を駆使して画家と自分の関係を解き明かす。ヒップホップのリズムに乗せてラップで物語るメタ=セルフ・ミュージカル・ドキュメンタリー。

リサ・スピリアールト
1990年に東京で生まれ、日本とベルギーで育つ。系譜学への強い関心と自伝の物語 性を題材とした作品を制作している。他の作品に『N・P』(2020)。



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