PROGRAM

E 東アジア・エクスペリメンタル・コンペティション5

【東京】シアター・イメージフォーラム:9/19(MON) 13:30、9/21(WED) 16:00
【京都】京都みなみ会館:10/9(SUN) 16:00
【名古屋】愛知芸術文化センター:11/26(SAT) 13:15

4作品94分

中国

銀幕

チャイ・チャイベイ / デジタル / 14分 / 2022年

アルミホイルのような金属質の平面が全面に置かれる。そこに線で描かれているのは手の指だ。動き出すと抽象的な線になり、やがて生き物や人の体、顔などを形作っていく。4章構成で、映像と音響、テキストは緊密な一体感をなしてクライマックスへと突入する。9月開催の2022年オタワ国際アニメーション映画祭短編部門に選出。

チャイ・チャイベイ
1992年深圳生まれ。2017年に中国の江南大学、2018年に英国の王立美術大学で修士号を取得。スクリーンの持つ魔術に心を奪われ、映像には体があると信じ、その映像に隠れる体をフレーム毎に描いて捉えることに特長がある。作品は常に観客に、体内で起こる衝突と体外で起こる不穏な環境を意識させる。

日本

The cleaning lady after 100 years : Spectre

七里圭 / デジタル / 19分 / 2022年

本作は「清掃する女」という自作の映像舞台劇の再創造作品。白髪の清掃婦のもとに若かりし頃の母の亡霊が現れたことから展開する舞台だが、本作ではそれをデジタル変換された登場人物の動き、さまざまな映像との合成で見せていく。映像分野の垣根を越えて創作活動を展開する映画監督・七里圭の本領発揮とも言える作品である。

七里圭
10月『背吉増剛造×空間現代』を劇場公開。村上春樹ライブラリーでは開館記念に製作された中編劇映画『ピアニストを待ちながら』を発表。12月には福岡市総合図書館で特集上映「映画の辺境(エッジ)へ 監督・七里圭スペシャル」を開催。

中国

壊れた太陽の心

ビー・ガン / デジタル / 15分 / 2022年 / 配給:リアリーライクフィルムズ

『凱里ブルース』などの作品で国際的に注目されるビー・ガンの新作短編。世界でいちばん大切なものを求めて、黒猫が3人の奇妙な人物を訪ねる旅をする。作者が長編で見せてきた夢幻的表現のエッセンスを凝縮したような作品で、迫力溢れる視覚的トリックが楽しい。2022年カンヌ国際映画祭短編部門コンペティション選出作品。

ビー・ガン
1989年凱里生まれ。2011年に山西伝媒学院監督学科を卒業。故郷の中国南西部で制作された『凱里ブルース』(15)が初の長編映画。ロカルノ映画祭で最優秀新進監督賞と最優秀初長編映画賞のスペシャル・メンションを受賞している。中国とフランスの国際共同製作作品『ロング・デイズ・ジャーニー – この世の涯てへ』(18)は、カンヌ国際映画祭でプレミア上映された。

日本

ユーモレスク

磯部真也 / デジタル / 46分 / 2022年

IFF2020で大賞を受賞した作者が受賞作「13」とは一転、ホームムービー的手法で母子の生活を四季に亘って描く物語に挑んだ。湖で汲んだ水を濾過し、それを物々交換で食糧に換える日々。ある日、一人の男がポータブル蓄音器を持って訪ねてくる。奏でられたのはドヴォルザークの「ユーモレスク」だった。その調べに何を思うのか……。

磯部真也
1982年横浜市生まれ。東京造形大学大学院卒業。イメージフォーラム映 像研究所卒業。主な作品に『EDEN』(11)、『For rest』(17)、『13』(20)。

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