PROGRAM

《C》東アジア・エクスペリメンタル・コンペティション3

5作品86分

【東京】シアター・イメージフォーラム:9/19 (SAT) 16:00, 9/23 (WED) 13:30
【京都】出町座:10/20(TUE) 18:00
【名古屋】ナゴヤキネマ・ノイ:11/11(WED) 17:40
【広島】広島映像文化ライブラリー:11/27(FRI) 18:30
【福岡】福岡市総合図書館

中国本土

録画

チャン・モーイン/digital/12min/2026

親に言われるがまま一流大学の前で将来の進学を誓う、年端もいかぬ女の子たち。子の幸せを願う親が思い出に残したはずのホームビデオが、子の視線を介して、親のエゴやその背後に潜む社会構造を映し出すアーカイブと化す皮肉。作者自らの幼年期のホームビデオを編集した本作は、ブラックユーモアか、子のささやかな復讐か。

チャン・モーイン
映像、インスタレーション、デジタルメディアを用いて制作するアーティスト。個人のアーカイブやファウンド・フッテージを通じて、記憶や権力、感情的な経験の問題を探求している。家族の映像や日常的なイメージを別の文脈に置き直すことで、観察やコントロール、そしてアイデンティティの構築をめぐる関係性を考察している。現在は、3D 環境とインタラクティブ・システムを組み合わせた学際的なプロジェクトに取り組んでいる。

ドイツ/台湾

リキュール

イーチェン・ホアン/digital/5min/2025

病に侵された母を救うため、娘は母の体内から出たへその緒でできた巨大なストローで、母の頭の中に溜まった水を取り出そうとする。しかし、母の姿は消え、娘自身が水の中へと沈み、記憶の海をさまようことに。母と娘との関係を想像力豊かに、力強いイメージで描いた作品。2026 年オーバーハウゼン国際短編映画祭上映作品。

イーチェン・ホアン
アニメーションとビジュアル・コミュニケーションを軸に活動するアーティスト。台湾でキャリアをスタートさせ、国立台湾芸術大学で美術学士号を取得した。ベルリンの活気あるアートシーンに惹かれて同地へ移り住み、2014 年にベルリン・ヴァイセンゼー美術大学でビジュアル・コミュニケーション・デザインの学位課程を修了。同大学在学中に、初めてアニメーション作品を制作。原子力エネルギーの利用をテーマとした作品『Kern』は、第 4 回国際ウラン映画祭および第 2 回ボディナーレ・ベルリンで上映された。現在は、バーベルスベルク映画大学でアニメーションへの情熱をさらに深めながら、アニメーション演出の修士課程に在籍している。

台湾

雲は過ぎ去り雨は降らず

スー・ユーシン/digital/14min/2025

自動運転の車から撮影される、AI 処理と半導体生産の地となったアリゾナの砂漠の風景。そこに広がるのは水の無い自然環境に生まれた、水を大量に消費する産業が形づくった非現実的なテクノ・ユートピアだ。サウンドトラックに重ねられた砂漠の民トホノ・オーダム族の雨乞いの歌が、人間の叡智とは何かを問いかける。

スー・ユーシン
ベルリンと台北を拠点に活動する台湾出身のアーティスト、映像作家。リサーチを基盤とする彼女の実践は、テクノロジーとの密接な関係を通じてエコロジーの問題にアプローチしている。フィールドワークと学際的なコラボレーションを組み合わせながら、環境の歴史を運ぶ媒体であると同時に、現代のテクノ自然的な環境において争点となる媒体でもある「水」を考察する、詩的かつ分析的な物語を展開している。彼女の作品は、世界各地の美術館、ビエンナーレ、映画祭で展示・上映されている。

中国本土

曲水

シェン・リンズー/digital/21min/2026

同じ川辺を舞台に、1952 年、1983 年、1995 年という異なる時代を生きる人々を描く。長回しの横移動撮影によって時間を運ぶ絵巻物のように風景が展開し、川へ飛び込む女性と一匹の魚のイメージが時代を超えて記憶をつないでいく。「蘭亭序」の引用もまた、悠久の時の流れと人生の儚さを静かに浮かび上がらせている。

シェン・リンズー
北京を拠点に活動する映像作家。2013 年、世新大学への交換留学中に実験映画と出会い、2019 年に北京で独立系の制作スタジオを設立した。商業映画やドキュメンタリー映画の領域で活動しながら、時間、空間、記憶が映像にどのように刻み込まれるのかを探求している。今作『曲水』は、自身で制作した初めての短編映画である。

日本

蟲のいどころ

山田沙奈恵/digital/34min/2026

地震をもたらすとかつて信じられていた鯰は、世直しの象徴としても描かれた。閉塞感とカタストロフィーの予感が両義的に満ちる現代日本社会の感覚を<災害と復興>の政治学を通して描出する饒舌なエッセイフィルム。人間的スケールを超えた地学的・歴史的なマクロな視点は、本作家の IFF2018 ノミネート作品『With Friction, As Friction』とも共通する。

山田沙奈恵
美術家。フィールドワークに基づく映像制作によって人間と自然環境の関係を紐解き、環境の中で身体や精神がどのように位置付けられているかを探究する。近作に『わすれやすい私、たちの避難訓練』(25)、『ことのまえ』(22)、『With Friction, As Friction』(18)など。



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