イメージフォーラム・フェスティバル2021「東アジア・エクスペリメンタル・コンペティション」では、日本、中国、台湾、香港、マカオ、韓国から322作品の応募があり、一次審査、二次審査を経て26作品が最終審査にノミネートされました。これらのノミネート作品は本フェスティバルの上映プログラムとして各会場で上映されます。
東京会場の会期中に最終審査員3名による審査会議が行われ、厳正なる審議の結果、以下の通り受賞作品が決定しました。
最終日10月3日(日)にスパイラルホールにて授賞式が行われました。
作者のパーソナルな世界と精神世界を興味深い方法で織り成す本作は、視覚的な力強さを強烈に持っています。そして同時に、異なる映像のスタイルを一つの映画に纏めるという非常に果敢な姿勢があります。その力強い斬新な表現に対して、審査員はワン・モーウェン監督『三位一体』に大賞を選びました。(審査員一同)
とても力強い作品で、生と死の境界を揺さぶる鮮烈な怪談映画でした。巨匠ともいえる監督が、こんなにも瑞々しい初長編を撮った事に驚かされ、作品から迸る情熱に審査員一同エネルギーを貰いました。この作品が20代の監督たちの作品と同じ賞を競った、ということも新たな意味を持つと思います。(審査員一同)
誰しもが通ってきた体験や興味。記憶の奥に仕舞い込んだ感情を見事にアニメーションで表現しています。創造の種は日常に溢れていると思わせてくれる。(審査員一同)
監督にしか出来ないその世界への飛び込み方、被写体への接し方で鮮烈に記録されたパーソナル・ドキュメンタリー。被写体をありのままに受け入れ、ジャッジしない作者の姿勢は、観客に様々な思考や感情、想像の余地を与え、観客それぞれの現実が心の中に芽生えます。旅に出たい!(審査員一同)
原作小説がもっている不思議な世界観を損なうことなく、むしろ独特の空気感でもって、サイレントのなかに観客の想像力を柔らかにかき立てる。その手法に新しさを感じました。同時に物語に観客を引き込む映画話法の完成度にも審査員一同感銘を受けました。(審査員一同)
香港の2019年の抵抗運動という重要な出来事とその記憶を扱う本作は、美しい白黒写真と、抗議する人々によって街に残されたテキストの内に、作者の詩的な物語性が込められていました。(審査員一同)
有國恵介(株式会社フロウプラトウ プロジェクトディレクター/日本)
タイディ(ワッタン映画祭プログラマー/ミャンマー)
中村佑子(映画監督/日本)